【保乃家】倉敷・下津井で名物の新鮮なタコ三昧！著名人もお忍びで通う名店

岡山県の中南部、倉敷市。

その倉敷市の南東部に位置するのが児島地区。

瀬戸大橋が架かるエリアだ。

その児島地区の南端、海沿いの歴史ある港町・下津井(しもつい)は、瀬戸内有数のタコの産地。

私は、備後の三原、播磨の明石と合わせて瀬戸内三大タコと勝手に考えている。

「下津井タコ」といえば岡山周辺地域ではブランド食材。

そんな下津井はタコの産地だから、当然タコ料理は郷土料理。

下津井周辺には、地元産の新鮮なタコを使った料理を楽しめる店が所在している。

今回、その中の一店、『元祖たこ料理 保乃家 (やすのや)』に訪問する機会があったので、ご紹介したい。

保乃家の概要

保乃家のメニュー

※メニュー画像クリックで拡大

メニューはまさにタコ三昧！

地酒もそろっている。

今回は5,700円のコースをいただく。

目の前で新鮮なタコをさばく！

目の前でタコがさばかれる。

タコはもちろん下津井産のマダコ。

注文を受けてから、外の水槽の中にいたタコをさばいてくので、新鮮さは抜群だ。

ご主人はたいへん気さくな方で、このように目の前でタコを見せてくれる。

お話しも上手で盛り上がる。

保乃家は、戦後に創業したタコ料理の老舗だそうだ。

口コミで評判が広がり、いろんなメディアでも取り上げられている。

また、複数の某著名人がプライベートでお忍びで来店するそう。

さらには海外から来たVIPな方々も来店するという。

最近は海外からの観光客も多く、インターネットで情報を調査した上で保乃家のタコ料理を目的にやってくるという。

正直、下津井は有名観光地である倉敷美観地区からも地理的に離れており、美観地区・倉敷市街や岡山市街からのアクセスが良好とはいいがたい。

タコ料理目的にここまでやってくるのは予想外だった。

海外の方は、日本人も知らない情報を調査している。

情報収集の仕方が日本人より上手なのだろう。

活きが良く、暴れる下津井タコ。

吸盤の吸い付きが物凄い。

手際よくドンドンとさばかれていく。

さばかれたタコ。

“中身”を間近で見るのは初めて。

意外にもグロテスクな印象はまったくなかった。

タコの足。

こちらは寿司ネタや刺身で見慣れている。

見るからにプリプリで弾力がありそう。

期待がふくらむ。

下津井名産・下津井タコの絶品料理の数々

真子しんじょう

まずは、タコの「真子しんじょう」。

フワフワで旨みたっぷり。

いきなりの絶品！

タコだんご

「たこだんご」。

生地の旨みがあふれ、タコの食感がよいアクセント。

たこ足・たこの子・白子の酢の物

「たこ足・たこの子(卵)・白子の酢の物」。

タコの足。

プリプリの弾力！

タコの子(卵)。

これは独特の食感。

これは白子の一部だったかな？

これも白子の一部だったかな？

これもたしか白子の一部。

タコの刺身

タコ足。

珍しい形にカットされています。

刺身。

タコ足を2種類のさばき方でいただく。

こちらのタコ足は、皮・吸盤付き。

身の弾力あるプリプリ感と、吸盤の歯ごたえあるコリコリとした食感が最高。

噛んでいると口内に徐々に染み出てくるタコの旨みがたまらん。

こちらは、タコ足の皮を剥いで、細切りになったもの。

タコの身のプリプリとした弾力をダイレクトに。

たこ足のから揚げ

「たこ足のから揚げ」。

から揚げの下にあるのは、細切りのかき餅。

これ、地味に美味しかったので、完食した。

揚げたてなので、カラッとしているのはもちろん、中の身のプリプリの弾力と衣のサクサク感の共演がクセになってしまう。

下津井の郷土料理・タコめし

そして、下津井の定番郷土食「たこ飯」。

炊きたてをいただいたので、とてもうまかった。

タコは炊かれてほどよい固さになりつつも、弾力を感じる。

そしてタコの旨みがごはん全体に。

たこのつみれ汁

「たこ飯」とともにいただいたのは「たこのつみれ汁」。

タコの風味あふれるつみれ。

これが実に美味だった。

燦然(特別純米)

タコ料理とともにいただいたのは、倉敷市西部の玉島地区の銘酒・燦然(さんぜん)の特別純米。

なかなか良い選択だった。

箸袋の裏には、下津井伝統の「下津井節」の歌詞。

観光客の方は興味をひかれるだろう。

保乃家の場所と外観

保乃家は、下津井地区の中心部、祇園神社の東側に位置する。

目の前は県道が走り、アクセスは良好。

県道の南側は港で、漁協がある。

すぐ近くには下津井観光の拠点として古民家を改装してできた「むかし下津井回船問屋」がある。

県道沿いには看板が出ており、目印となる。

1階が駐車場で、2階が店舗。

駐車場が狭いのが欠点。

なお、実はこちらの県道側は店の裏手になる。

店の北側、旧道にあたる側が店の正面になる。

ちゃんと旧道側にも看板がある。

周辺は県指定の町並保存地区になっている。

そのため趣のある町並が続く。

残念ながら保乃家の店舗は鉄筋コンクリートの建物だが、隣には歴史的な家屋が並ぶ。

保乃家の旧道側入口。

階段を上り店内へ。

店内のようす

階段を上ると、左手に屋内に玄関風の入口が現れる。

そして入口の反対側、右手側に巨大水槽。

その中に巨大なタコが！

かなり大きなタコが何匹もウニウニとうごめく。

けっこうな数のタコたち。

店内のようす。

入るとすぐ、左手に厨房と厨房前にカウンター席が並ぶ。

右手側や奥の方に個室の座敷席がいくつか。

厨房奥にはコンロが並ぶ。

タコ(マダコ)の旬はいつ？

下津井名物の干しタコ

下津井で獲れるマダコの旬はいつか？

実は下津井のタコは年に3日以外はすべて旬といわれるほど、年中おいしいのだが、特に美味しいといわれる時期がある。

それは夏期と秋冬期だそうだ。

夏期は7〜8月頃。

この時期のタコは産卵前で、栄養が蓄えられて美味しいとのこと。

秋冬期は11〜12月頃。

この時期は、もっとも身が締まって旨みが凝縮されている。

私が訪問した時期は2月末頃。

一年でもっとも漁獲量の少ない時期だったが、味は十分美味しかった。

この時期でこの美味しさなのだから、旬の時期の美味しさは想像を絶する。

あとがき

保乃家は、個室の座敷が複数あり、家族連れ、小さなお子様連れでも来店しやすい。

県道の沿線で、駐車場も狭いがあるので、自動車でのアクセスしやすい場所。

ただ、値段は少し張るので、気軽にいこうとはいかないだろう。

しかしその分、新鮮な下津井のタコを堪能できる。

実際、個々の料理は少量だったが、食べ終わってみたらお腹いっぱい。

しっかりとタコ料理を堪能できて満足だった。

観光の方は、是非地元の名物を堪能して欲しい。

倉敷美観地区や岡山市街地からも、足を運ぶ価値はある。

観光計画のひとつに加えてもよいだろう。

また地元の人も、何かの記念のときなどに地元の良い食材を食べていてはいかがだろう。

私のイチオシ

食べたすべての料理が美味しかったので、どれがイチオシかといえば全部となってしまう。

その中であえてイチオシを選ぶとすれば…

「たこ足の刺身」と

「たこ足のから揚げ」だ。

下津井の町並

店舗情報

路線バスについて

マイカーやJR児島駅からのタクシーなど、自動車でのアクセスが一番良いが、公共交通機関を使うとなれば児島駅からの路線バスとなる。

下津井電鉄(下電)バスの下津井線または下津井循環線に乗ることになるが、下津井線は1日2便で最終便が18時台、下津井循環線はおおむね1時間に1本程度で最終便が17時台と、利用には不便だ。

保乃家の最寄りバス停は、両線とも「下津井漁港前」。

50m程度だ。

参考
あなたのまちを走る 下電バス下電バス

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