【旧国一覧】 同名郡・郷の有無、万葉仮名も記載!日本の古い地名

旧国図

旧国名は大昔から今まで残るとても古い地名だ。

まさに歴史遺産といっても良いだろう。

そんな旧国を、すでに消滅した国名も含めて一覧化!

旧国とは?

旧国(きゅうこく)とは、日本国内で用いられた「国(くに)」を単位呼称とする地理区分である。

近現代において、日本国全体の国家を意味する「国」との混同を避けるために、古くから日本で使用されている国という呼称という意味で便宜的に旧国と呼称される。

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江戸時代の旧国

畿内

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
山城 夜萬之呂 やましろ やましろ 山背、山代    
大和 夜萬止  やまと やまと 和、倭、大倭 城下郡大和(おおやまと)郷  
河内 加不知  かふち かわち 川内 河内郡
大阪府旧河内郡
 
和泉 以都三  いづみ いずみ 泉、出水 和泉郡上泉郷・下泉郷 河内国より分立。
摂津 せっつ    

東海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
伊賀 以加 いが いが   伊賀郡 (阿我郷)  
伊勢 以世 いせ いせ   (度会郡伊蘇郷)
(三重県伊勢市磯町)
 
志摩 之萬 しま しま     志摩国より分立。
尾張 乎波里 おはり おわり      
参河
(三河)
三加波 みかは みかわ      
遠江 止保太阿不三 とほたあふみ とおとうみ      
駿河 須流加 するが するが   駿河郡駿河郷  
伊豆   いづ いず      
甲斐 賀比 かひ かい      
相模 佐加三 さかみ さがみ 相武(さがむ) ※甲斐国の相模国隣接郡である都留郡に相模郷あり  
武蔵 牟佐之 むさし むさし 无邪志、牟射志    
安房 阿八 あは あわ   安房郡(麻原(あわら)郷) 下総国より分立。
上総 加三豆不佐 かみつふさ かずさ   下総国相馬郡布佐郷
千葉県我孫子市布佐
総国より分立。
下総 之毛豆不佐 しもつふさ しもうさ   相馬郡布佐郷
千葉県我孫子市布佐
総国より分立。 
常陸 比太知 ひたち ひたち 日立 (那賀郡常石郷?)  

東山道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
近江 知加津
阿不三 
ちかつあふみ おうみ      
美濃 - みの みの   本巣郡美濃郷
岐阜県本巣市見延?
 
飛騨 比太 ひだ ひだ      
信濃 之奈乃  しなの しなの 科野    
上野 加三豆介乃  かみつけの こうづけ 上毛野、上毛   毛野国より分立。
下野 之毛豆介乃  しもつけの しもつけ 下毛野、下毛   毛野国より分立。
陸奥 三知乃於久 みちのをく むつ みちのく、道奥   常陸国より分立。
出羽 以天波  いでは でわ   出羽郡 越後国より分立。

北陸道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
若狭 和加佐  わかさ わかさ      
越前 古之乃三知
乃久知 
こしのみち
のくち
えちぜん   (越後国)古志郡 越国より分立。
加賀 - かが かが   加賀郡 越中国より分立。
能登 - のと のと   能登郡 越中国より分立。
越中 古之乃三知
乃奈加 
こしのみち

のなか

えっちゅう   (越後国)古志郡 越国より分立。
越後 古之乃美知
乃之利 
こしのみちのしり えちご   古志郡 越国より分立。
佐渡 - さど さど 佐度 雑太(さわた)郡雑太郷  

山陰道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
丹波 太邇波  たには たんば   (丹後国)丹波郡丹波郷
京都府京丹後市峰山町丹波
 
丹後 太邇波乃美知乃之利  たにはのみちのしり たんご   丹波郡丹波郷
京都府京丹後市峰山町丹波
丹波国より分立。
但馬 太知萬  たちま たじま      
因幡 以奈八  いなは いなば   法美郡稲羽郷  
伯耆 波波岐 ははき ほうき      
出雲 以豆毛 いづも いずみ   出雲郡出雲郷  
石見 以波美  いはみ いわみ   那賀郡石見郷  
隠岐 於岐  をき おき 意岐 島根県隠岐郡  

山陽道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
播磨 波里萬  はりま はりま 針間    
美作 美萬佐加  みまさか みまさか     備前国より分立。 
備前 岐比乃美知
乃久知 
きびのみち
のくち
びぜん     吉備国より分立。
備中 吉備乃美知
乃奈加 
きびのみち
のなか
びっちゅう     吉備国より分立。
備後 吉備乃美知
乃之利 
きびのみち
のしり
びんご     吉備国より分立。
安芸 - あき あき 阿岐 安芸郡安芸郷
広島県安芸郡
 
周防 須波宇  すはう すおう 周芳 熊毛郡周防
山口県光市小周防
 
長門 奈加度  ながと ながと 穴門(あなと)    

南海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
紀伊 - きい 紀、木    
淡路 阿波知  あはぢ あわじ      
阿波 - あは あわ 阿波郡
徳島県阿波市
 
讃岐 佐奴岐  さぬき さぬき      
伊予 伊與  いよ いよ   伊予郡
愛媛県伊予市・伊予郡
 
土佐 - とさ とさ   土佐郡土佐郷  

西海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
筑前 筑紫乃三知
乃久知
ちくし(つくし)
のみちのくち
ちくぜん   福岡県筑紫野市筑紫 筑紫国より分立。
筑後 筑紫乃三知
乃之利
ちくし(つくし)
のみちのしり
ちくご   福岡県筑紫野市筑紫 筑紫国より分立。
豊前 止與久邇乃
美知乃久知
とよくにの
みちのくち
ぶぜん      豊国より分立。
豊後 止與久邇乃
美知乃之利
とよくにの
みちのしり
ぶんご     豊国より分立。
肥前 比乃三知乃
久知
ひのみちの
くち
ひぜん   (肥後国)八代郡肥伊郷
熊本県八代郡氷川町
肥国より分立。
肥後 比乃美知乃
之利
ひのみちの
しり
ひご   八代郡肥伊郷
熊本県八代郡氷川町
肥国より分立。
日向 比宇加 ひうか ひゅうが      
大隅 於保須美 おほすみ おおすみ   大隅郡大隅郷 日向国より分立。
薩摩 散豆萬 さつま さつま 薩麻 薩摩郡 日向国より分立。
壱岐 由岐 ゆき いき 壱岐島、一支 壱岐郡
長崎県壱岐市
 
対馬 都之萬 つしま つしま  対馬島    

その他

名称 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 備考
蝦夷 えぞ えぞ 蝦夷地  
琉球 りゅうきゅう りゅうきゅう    

明治維新後に新設された旧国

東山道

名称 読み
(旧仮名遣い)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
磐城 いはき いわき   (陸奥国)磐城郡磐城郷 陸奥国より分立。
岩代 いはしろ いわしろ   (陸奥国)磐瀬郡磐瀬郷 陸奥国より分立。
陸前 りくぜん りくぜん     陸奥国より分立。
陸中 りくちゅう りくちゅう     陸奥国より分立。
陸奧 りくおう りくおう     陸奥国(旧)より分立。
羽前 うぜん うぜん     出羽国より分立。
羽後 うご うご     出羽国より分立。

北海道

名称 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 備考
渡島 をしま おしま    
後志 しりべし しりべし    
胆振 いぶり いぶり    
石狩 いしかり いしかり    
天塩 てしほ てしお    
北見 きたみ きたみ    
日高 ひだか ひだか    
十勝 とかち とかち    
釧路 くしろ くしろ    
根室 ねむろ ねむろ    
千島 ちしま ちしま    

明治維新までに消滅した旧国

東海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
不佐 ふさ ふさ   下総国相馬郡布佐郷
千葉県我孫子市布佐
上総・下総国に分割。のち下総より安房国が分離。

東山道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
諏訪   すは すわ 諏方 (信濃国)諏訪郡 信濃国に編入。
毛野 介乃 けの、けぬ けの、けぬ     上野・下野国に分割。
那須   なす なす   (下野国)那須郡那須郷 下野国に編入。
石背   いはせ いわせ   (陸奥国)磐瀬郡磐瀬郷 陸奥国から独立したが再編入。
石城   いはき いわき   (陸奥国)磐瀬郡磐城郷 陸奥国から独立したが再編入。

北陸道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
古之 こし こし 高志、古志 (越後国)古志郡 越前・越中・越後国に分割。のち越中国より加賀・能登国が分離。

山陽道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
針間鴨   はりまかも はりまかも   (播磨国)賀茂郡上鴨郷・下鴨里 播磨国に編入。
明石   あかし あかし 赤石 (播磨国)明石郡明石郷 播磨国に編入。
吉備 岐比 きび きび 黄微 ※岡山県旧吉備郡および岡山市北区吉備津は近現代での命名 備前・備中・備後国に分割。のち備前より美作国が分離。

南海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
熊野   くまの くまの     紀伊国に編入。
波多   はた はた    幡多郡 土佐国に編入。

西海道

名称 万葉仮名 読み
(古語)
読み
(現代)
異表記・異訓等 国内同名地名
現代遺称地
備考
筑紫   つくし、
ちくし
つくし、
ちくし
  福岡県筑紫野市筑紫 筑前・筑後国に分割。
止與 とよ とよ     豊前・豊後国に分割。
火、氷 (肥後国)八代郡肥伊郷
熊本県八代郡氷川町
肥前・肥後国に分割。
値嘉   ちか ちか  値賀、値嘉島、値賀島、知詞、血鹿 (肥前国)松浦郡値嘉郷 平戸・五島列島に相当。肥前国から独立したが再編入。
多袮
(多禰)
  たね たね     種子島・屋久島に相当。大隅国に編入。
熊襲   くまそ くまそ 熊曽(熊曾)、球磨噌唹 (肥後国)球磨郡、(大隅国)曽於郡 熊(球磨)+襲(曽於)の総称か?
肥前・日向国(のち大隅国)に分割編入。
唱更   はやひと はやひと 隼人(はやと)   薩摩国に移行。

参考資料

  • 池邊彌『和名類聚抄郷名考証』吉川弘文館
  • 楠原佑介ほか『古代地名語源辞典』東京堂出版
  • 加藤謙吉、遠山美都男、仁藤敦史、関和彦、前之園亮一『日本古代史地名事典』雄山閣
  • 『日本大百科全書 ニッポニカ』小学館
  • 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目版 プラス世界各国要覧 2017』ブリタニカ・ジャパン
  • 二宮道明『地理学事典 改訂版』日本地誌研究所