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三之丸町(さんのまるちょう)は、福山市の中心市街地の一角にあたります。
福山中心市街は、江戸時代の福山城の城下町が起源です。
概要
三之丸町は、JR福山駅および山陽本線・山陽新幹線より南部で、福山駅南口ロータリーとその西側一帯が範囲となり、東西に細長いエリアです。
福山駅およびロータリー自体も三之丸町の範囲内となります。
東端にあたる福山駅前・ロータリー沿いには商業ビル「キャスパ」その北西隣に「ダイエー」、西端の道を挟んで西隣(町域は西町)には「そごう」、道を挟んで南隣(町域は東桜町)には「ビブレ」などが立地し、福山中心市街西部の商業エリアとして、それらの商業施設を中心に商店が立地していました。
中北部で駅・線路沿いには市内有数のホテルである福山キャッスルホテル、また中南部には中国地方地盤の家電量販チェーンのデオデオ(旧ダイイチ、現エディオン)もありました。
しかし、市街の郊外化の加速により1999年のビブレ閉店を皮切りに、翌2000年にそごうが閉店(のち福山ロッツを経てリム福山となる)、2005年にダイエー、2012年にはキャスパが閉店。それに合わせるように商店も減少していきました。デオデオも郊外へ移転しています。
なお、キャッスルホテルは現在も営業中です。
地名の由来
福山市街は冒頭の通り江戸時代は福山城下町でした。三之丸町は、その範囲がその名の通り福山城の三之丸ににあたるからです。
しかし、東西に長い三之丸町の区域の内、西端部と南半分は外堀の一部で、それ以外の北側が三之丸でした。三之丸は堀に突き出すように存在しており、現在の旧キャスパの北寄りに門があったとされます。
三之丸には、上記門側より上席家老の屋敷が外堀沿いに建ち並び、阿部氏が福山藩主の時代には勘定屋敷もありました。また、二重櫓もありました。
明治になると西側や南側の武家町などと総じて西町と称されるように。
大正中期に西町は細分化され、その後昭和期の改訂で三之丸町が誕生しました。
現状
前述の通り、21世紀に入ってからは大型店舗の相次ぐ撤退・移転により三之丸町の商業は衰退の一途をたどっていきましたが、近年少しだけ明るい兆しが見えます。
キャスパ南側を福山駅前ロータリーから西方へ延びる道沿いおよび周辺に、ここ数年で新たな商店が相次いで新規出店しています。
2017年現在、ラーメン店3店、蕎麦店1点、お好み焼き店2店、うどん店1店、カフェ3店、パン店1店、焼鳥店1店、居酒屋・バー類3店、衣料品店が数店、ライブハウス1店、コンビニ2店など。
少しずつですが若者向けの店が出店しております(当地南方にあった旧繊維ビル改築による移転もありますが)。
しかし、現在も依然として廃墟として残る旧キャスパが一番目立つ建物で、今後の課題であることは変わりません。
旧キャスパをどうするのか、福山の今後の大きな課題です。
参考資料
- 『日本歴史地名体系三五巻 広島県の地名』平凡社(1982年)
- 福山市文化財協会『新版 福山城』(2006年)