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【つるの玉子】明治20年から岡山で愛されるマシュマロ菓子。後楽園の鶴にちなんだ岡山の隠れ名物

下山松寿軒:つるの玉子

岡山市の銘菓・土産菓子といえば、『きびだんご』が全国的に有名だろう。

また地元の人や、岡山についてちょっとだけ知っている人なら、日本三大饅頭のひとつでもある『大手まんぢゅう』も人気だ。

しかし「定番の土産ではありきたりで嫌だ」「あまり地元以外では知られていないが、地元に根付いた歴史ある銘菓を土産にしたい」という人も多いだろう。

そんなときにおすすめの岡山市の銘菓のひとつが『調布』。

そして『つるの玉子』だ。

つるの玉子は、岡山市の下山松寿軒1店のみが製造・販売しており、明治20年(1887年)からの長い歴史がある菓子だ。
しかも、日本で初めてマシュマロを使った菓子ともいわれる。

つるの玉子は、きびだんご、大手まんぢゅう、調布とならんで”岡山市 四大銘菓“と呼んでも過言ではないだろう。

そんな歴史ある岡山市の銘菓・つるの玉子を紹介!

つるの玉子は岡山の老舗・下山松寿軒の代表菓子

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子は、現在岡山市北区平和町・桃太郎大通り沿いにある下山松寿軒(しもやま しょうじゅけん)を代表する菓子だ。

下山松寿軒は明治20年(1887年)創業の老舗。
つるの玉子は創業時からあり、当時から看板商品だった。

現在では、下山松寿軒は「つるの玉子本舗」と名乗るほど岡山市では定着し、岡山市の土産にはつるの玉子をイチオシする人もいる。

またつるの玉子は、明治・大正・昭和の天皇に献上されている。

さらに、なんとつるの玉子は林芙美子『放浪記』に登場(第三部)するそうだ。

つるの玉子の特徴

外観・パッケージ

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子は8・12・20・30・40個入がある。

12個入を購入してみた。

包装は白色と薄桃色。
ツルが描かれ、赤色で商品名が書かれている。

下山松寿軒:つるの玉子

包装の中は、無地のシンプルな薄ベージュのフタ、紺色の本体の箱だ。

下山松寿軒:つるの玉子

フタを開けると、包装と同じ白と薄桃色の個包装をされたつるの玉子が交互に並んでいる。

つるの玉子はマシュマロで黄身餡を包んだ和洋折衷の菓子

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子は、楕円状の卵形をしたマシュマロ生地の中に、黄身餡が入った菓子だ。

マシュマロの洋と餡の和が合わさった、まさに” 和洋折衷“の菓子といえるだろう。

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子には、薄桃色2色がある。

下山松寿軒:つるの玉子

白い個包装には白、薄桃色の個包装には薄桃色のつるの玉子が入っている。

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子のサイズは、ニワトリの卵より一回りほど小さな大きさ。

2色ともサイズは同じだ。

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子をつまむと、フワッと軽くへこみ、とても柔らかなのがわかる。

表面はとてもサラサラとしていて気持ちいい。

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子を割ると、マシュマロ生地の中央に山吹色をした黄身餡が出てくる。

下山松寿軒:つるの玉子

白・薄桃色とも、中身は同じ黄身餡だ。

下山松寿軒:つるの玉子

食べると軽くモチッとしたような弾力がありながらも、フワッと軽やかでとろけるような食感があり、まさにマシュマロ。

そして淡い上品な甘味がしてくる。

やがて現れてくる黄身餡は、ホックリとした食感とマッタリとした甘さ。
マシュマロ生地よりは甘いが、甘さが強すぎるわけでなく、絶妙なバランス。

下山松寿軒:つるの玉子

マシュマロと黄身餡の甘さの二重奏が楽しめる。

なお、白・薄桃色とも味は同じだ。

つるの玉子の歴史

下山松寿軒:つるの玉子

つるの玉子は、明治20年の下山松寿軒の創業時に誕生している。

江戸時代に備前岡山藩の御用菓子司をつとめていた現在の岡山市北区表町にあった「加喜屋」(閉鎖)の菓子職人・下山 治四郎は、外国人よりマシュマロの製法を学んだ。

岡山にある日本三名園のひとつ・後楽園で見たツルタンチョウ)より着想を得て、ツルの玉子に見立てた菓子をつくることを発案。

マシュマロの製法を取り入れることを思いつき、試行錯誤の末に完成したのが、現在のつるの玉子である。

下山 治四郎は明治20年に独立し、下山松寿軒を創業。
つるの玉子を看板商品として売り出した。

当時としては斬新な菓子だったつるの玉子は、当時の岡山で大ヒットし、岡山を代表する銘菓のひとつになった。

つるの玉子は日本初のマシュマロを使った菓子とも

下山松寿軒:つるの玉子

日本国内でのマシュマロの元祖は、東京・凮月堂(ふうげつどう)とされ、明治25年(1892年)に発売されたとされている。

下山松寿軒では、それよりも5年も早い明治20年につるの玉子を発売している。

ただし、つるの玉子はあくまで”マシュマロを使った和菓子“であり、純粋なマシュマロではない。

凮月堂は、純粋なマシュマロを発売した最初の店ということだろう。

下山松寿軒は、記録に残るもののなかで、マシュマロを取り入れた菓子としての元祖かもしれない。

記録に残っていないだけで、当時ほかにもあった可能性はある。

下山松寿軒:外観
下山松寿軒の外観

ちなみに、つるの玉子に類似した菓子に、福岡県福岡市の『鶴乃子(つるのこ)』、愛媛県松山市の『つるの子』がある。

鶴乃子は明治38年(1905年)創業の石村萬盛堂(いしむら まんせいどう)が製造・販売する。

楕円形の卵型のマシュマロの中に黄身餡が入っており、つるの玉子とほぼ同じような菓子である。

発祥は下山松寿軒のつるの玉子より遅いが、長い歴史のある銘菓だ。
つるの玉子との関連性は不明。

いっぽう松山のつるの子は、楕円形の卵形をしたマシュマロで、見た目はつるの玉子とほぼ同じ。
しかし中には、黄色いカスタードクリームが入っており、つるの玉子とは異なる。
松山のつるの子は洋菓子の一種といったほうがいいかもしれない。

つるの子は、昭和初期に創業した和菓子店・ほていやが考案。
その後ほていやは廃業し、弟子筋にあたる西岡菓子舗が製造・販売している。

ほかにも、つるの玉子の類似の菓子はあるようだ。

岡山土産にはぜひ「つるの玉子」を

岡山市の定番の土産・きびだんごや大手まんぢゅうもいいが、定番は外しながらも喜ばれる伝統菓子として、つるの玉子はおすすめだ。

和風な雰囲気でありながらオシャレな印象もあり、贈答品として最適。
しかも、おいしい。

同じく調布もおすすめなのだが、つるの玉子は調布と違って製造者は下山松寿軒1社のみというレア度もポイントだ。

岡山市の土産として、つるの玉子をぜひ手に取ってみて欲しい。

ちなみに、下山松寿軒では調布きびだんごも製造・販売。
ほかにもいろいろな菓子がたくさんラインナップしている。

つるの玉子は、インターネットでもお取り寄せ可能だ。

福岡・鶴乃子や松山・つるの子と食べて比べてみるのもおもしろい。
鶴乃子もインターネットでの取り寄せができる。

参考資料

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