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七日市(岡山市北区) 〜 地名由来は中世に定期市が開かれていた名残。

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七日市(なのかいち)は岡山市北区の町丁の総称です。七日市西町(なのかいち にしまち)と七日市東町(なのかいち ひがしまち)の2町からなります。

かつては岡山城下の南にあった農村で、御野郡(みのぐん、みののこおり)七日市村の大部分にあたります。

古い地名の由来は諸説あります。
あくまで当サイトでの見解です。

七日市とはこんなところ



七日市は岡山市街南方、旭川の西岸に位置します。現在は七日市西町と東町に分かれています。

中部に浄化施設「旭西(きょくさい)浄化センター」が立地。スポーツ施設を含む広大な敷地となっています。

かつては南隣の御舟入町を含めて御野郡七日市村でした。

中北端に鎮座する春日神社は少なくとも平安時代末期からは存在している古社です。

古代は旭川河口のデルタ地帯にあった御野郡出石郷(いづしごう)の南沖の海でした。

その後は沖に向かって徐々に開墾が進みます。
中世には有力荘園・鹿田庄(しかだしょう)の一部になりました。

江戸時代は岡山藩領でした。
七日市村南部の旭川岸に岡山藩の舟入りが設置されていました。これは現在の御舟入町内となります。

地名の由来

春日神社周辺で毎月七日に市が開かれていた事が地名由来

七日市の地名の由来は名前の通り、毎月七日に市場が開催されていたためです。

七日市にある春日神社は古くから鎮座する古社。

康永元年(1342年)の『備前一宮社法』という書物に「二日市春日ノまつり」と記載があります。

この春日は春日神社のことで、二日市は二日市村(現 北区二日市町・旭町・旭本町・岡南町など)のこと。
当時の七日市は二日市村の一部でした。

江戸時代前期に岡山藩が作らせた『寛永備前国絵図』には七日市村の村名が記載されています。
なので七日市村は室町中期以降から江戸時代以前に二日市村から分立したものと考えられます。

かつて二日市・七日市周辺は有力荘園・鹿田庄の一部でした。
七日市村の分立は春日神社周辺でおこなわれた鹿田庄の三斎市が発展したためといわれます。

なお三歳市とは中世において毎月、月内の決まった3日に定期的に市場が開かれていた風習のことです。

まとめ

七日市の南には十日市もあり、二日市もふくめ中世にはこのあたりには市場がよくあったようです。

いずれも荘園・鹿田庄内ですので、同荘園がいかに繁栄していたかを地名を介してうかがい知ることができます。

また春日神社も同荘園や市場の繁栄とともに栄えたと推測できます。

 

参考資料

  •  『日本歴史地名体系三四巻 岡山県の地名』平凡社
  •  『岡山県大百科事典』山陽新聞社
  •  巌津政右衛門 『岡山地名事典』日本文教出版社
  • 岡山大学付属図書館 『絵図で歩く岡山城下町』吉備人出版
  • 谷淵陽一『岡山市の地名由来』吉備人出版
古い地名の由来は諸説あります。
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